温度計センサーというのは、人間が温度を知るのではなく、何らかの機械とか装置が温度を知ることができるようにするための仕組みのことです。
このように、センサーというのは一般的に人間の感覚器官に代わって機械や装置がその情報を知るための仕組みを指します。では、温度計の場合、機械や装置が温度を知るためにはどのような仕組みが使われるのでしょうか。これは一般の人にはなかなか想像もつきにくいことかもしれません。実は、ごく普通の壁掛け型の寒暖計であっても非常に広い意味では温度計センサーになり得ます。
普通の寒暖計は、ガラス管の中にアルコールや水銀などの液体物が封入されており、温度によって液体が膨張するという原理を利用しています。人間はその目盛りを目で読み取ることで温度を知るわけですが、人間が目で読み取れる以上、それと同じことが機械や装置にできないはずはありません。光を当ててその透過率を測るなりすれば、液面がどこにあるかを知ることはでき、液面の高さから温度を知ることは可能です。
ですが、この仕組みはまどろっこしいのです。知りたいのは温度であるにも関わらず、まず液面の高さを知らなければなりません。言ってしまえば、温度を知るために皮膚感覚だけでは不十分で視覚まで必要としているようなものであり、機械や装置として回りくどいのです。もっと直接的な方法で温度だけを知ることのできる仕組みが知られており、実際にはそのような仕組みが用いられています。