HACCPは安全を確保するための衛生管理の国際的な管理基準方法で、アメリカで宇宙食の安全性の確保のために構想され、缶詰食品の製造基準として取り入れ広まっていきました。
HACCPは危害・分析・重要・管理・点の頭文字を取った略称で、日本語ではそのまま危害分析重要管理点と訳されています。従来の製造方法では抜き取り検査で製品の安全性を確認していたため、出荷寸前で不具合が見つかった場合、前後の製品も大量に廃棄したりしなければなりませんでした。
出荷してからも、機械の小さな部品などが混入してしまってた事がわかることがありますが、抜き取りで抽出しきれないことも多く、出荷してから時間やお金、労力を駆使して回収をしなければならない場合も生じます。HACCPでは工程ごとにチェックをするので途中の段階で問題が生じた場合、一旦製造ラインを中断し不具合の原因を探すことも可能です。
製品が完成する前に見つけられる可能性も高いので材料の無駄も少なくなり、破棄する為の費用や労力もかけずにすみます。記録を残すことも義務となっているので問題が起こったときには徹底的に見直し分析し、重点的に管理することができ、機械の不具合であれば点検や清掃を強化し、新しく換えることも検討する必要があります。HACCPは機械の古さや不具合等の一部の工程で働く従業員がなんとなくわかっていた問題を明確化し、問題が起こる前に未然に防ぐことができる可能性が高い方法です。