HACCPは飲食店にも適用可能な考え方です。
食品加工の現場だけのものと思われがちですが、規模が違うだけなのでやることは変わりません。ただし、難しく考える必要はなく、やるべきことを整理してやりやすく行うことが重要です。HACCPは重要管理点の監視を行なって危害要因を排除する取り組みを求めています。飲食店では多くのメニューを提供している場合があり、それぞれで管理点が変わってくる恐れがあります。種類が増えれば、それだけ管理が難しくなると思われがちですが、グループ分けするだけで簡略化して考えることができます。
HACCPで重要とされるのは温度管理です。グループ分けもその観点から行うとわかりやすくなります。1つは加熱しないものです。常温に近い状態で保管され、そのまま提供されるようなものが該当します。例えばサラダに使われる野菜などが考えられます。この場合、不潔なものと接触させないことと提供までに10度以上に温度を上げないと言う管理が必要です。
グループ2は加熱してすぐに提供するものです。揚げ物や汁物、焼物などがありますが、十分な加熱をして微生物を死滅させなければいけません。また、加熱が終わってから微生物が接触しないように清潔を保つことも重要です。加熱と冷却を繰り返すグループは急速に冷却することが大切になります。冷却時間が長いと繁殖しやすい環境が維持されることになるので、浅く広く広げて氷水で一気に冷やすなどのコツが必要です。